第3章① 第3世界の出現
第3の世界
第二の世界を形成していた元素の全ては、長いこと生命のない氷の中に閉ざされたままであった。しかし、地底では、人々が蟻人間とともに幸せに暮らしていた。
ついにソツクナングは双児に、両極に戻るよう命令した。大きく身を震わせながら、星はふたたび回転し始めた。地球が地軸の周囲をなめらかに回転し宇宙の軌道に乗ると、氷はまた溶け始めて世界は温暖になった。ソツクナングは、第三の世界の創造を開始した。
大地と海を整え、山々と平原に樹木を生い茂らせ、あらゆる形の生命を生んだ。
こうして地球に人間が住める頃になると、ソツクナングは前のように正しい仕方でキバにやってきて、こういった。
「扉を開けよ。あなた方の出てくるときがきた」
ふたたびヌタが外されると、彼は人々に助言を与えた。「私はあなた方がこの新しい第三の世界にまた生きるよう、あなた方を救った。だが、あなた方はこれからいう二つのことをいつも覚えておかなくてはならない。まず、私を尊び、お互いを尊ぶこと。そして第二に、山々の上から調和に満ちた歌をうたうこと。創造主に対する讃歌がきこえなくなったときには、あなた方がふたたび悪に陥ったときである」
こうして、人々は梯子を伝って蟻人間のキバから抜け出し、第三の世界に出現した。