アメリカインディアン ホピ族の神話

第1章① 第1の世界 無限宇宙から人類創造

 無限宇宙


最初の世界はトクペラ「無限宇宙」と呼ばれた。
無限宇宙とであるが、ホビによれば、初めは創造主タイオワのみが存在した。
それ以外は、全て無限である。始まりもなく、終わりもなく、時も空間も、形も生命も無かった。
始まりと終わり、時、形、生命をタイオワの心の中にだけ存在して誰も推量できない無の世界だった。

次に、創造主は有限を生み出した。初めに、創造主はソツクナングを創造して現わし、次のように告げた。
「私は、無限宇宙の中に生命を造る計画を遂げるために、おまえを第一の人として力と形を造った。私は、おまえの叔父だ。おまえは、私の甥だ。さて、行って私の計画どおり互いに調和して動くように、宇宙を秩序正しく整えるがよい」

ソツクナングは命じられたとおりに行なった。無限宇宙から、固体として現われるものを集めてそれをかたどり、九つの宇宙に整えた。一つはタイオワのため、一つは自分のため、そして七つの宇宙は後に生まれる生命のためである。

最初の創造を終えてソツクナングはタイオワのもとに行き、「これはあなたの計画に沿っていますか?」と尋ねた。
「上出来じゃ」タイオワは答えた。
「さて、水についても同じようにしてほしい。これら宇宙の表面に水を置き、それぞれが等しく分かれるように」
そこで、ソツクナングは水として現われるものを無限空間から集め、それらを宇宙一つ一つの上に置いて、それぞれが半分固体、半分液体となるよう配慮した。

彼は、次にタイオワに向かっていった。
「私のした仕事をごらんください。あなたの意にかなったもでしょうか?」
「上出来じゃ。次に、万物の上に風の力を穏やかに動かしてほしい」ソツクナングはこれを行動に移した。無限宇宙の中から彼は風となるものを集め、それを大いなる力に造って宇宙一つ一つのまわりを穏やかに動くように配置した。

タイオワはこれを喜んだ。
「甥よ、私の計画に従ってよくぞ仕事をはたしてくれた。おまえは宇宙を創造し、それらを固体と水と風の中に現わし、正しく配置した。だが、まだ仕事が完成したわけではない。生命とその動きを造り出し、私の宇宙計画の四つの部分ツワカキを完成してほしい」